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Q and A

賃金関係 1.年俸制社員の割増は、賞与も算定基礎に含めるか。
2.パートの所定労働を2時間短縮したが、休業手当を払う義務はあるか。
労働時間関係 1.帰宅後呼び出し、再出勤に要した通勤時間は時間外となるか。
2.遅刻者の残業には、残業手当を支払わなくてもよいか。
休暇・休日関係 1.法定休日に8時間労働させたが、代休を与える必要があるか。
2.1年勤務のパートを正社員にしたが、年次有給休暇(年休)の基準日はどうなるか。
3.半日年休は、単純に午前と午後に分けてもよいか。
4.病気休職期間の満了前に、残った年休を請求されたら与えなければならないか。
5.年休の繰越分と新規付与分がある場合、消化する順序はどうなるか。
解雇関係 1.解雇予告の30日は休日を含めた暦日か。
2.即時解雇の可能な予告手当不要の条件を知りたい。
3.パートが業務災害で休業したが、期間満了で契約解除できるか。
その他労務関係 1.業務に支障がある場合、退職日を1ヶ月延ばすことができるか。
2.時効消滅する年休の買い上げは規定化してよいか。



賃金関係
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1.年棒制社員の割増は、賞与も算定基礎に含めるか。
管理監督者の他、一部社員も年棒制を導入することにした。年棒額を決定し、その年棒の16分の1を月例給与として支給し、16分の4を2分して6月と12月に賞与として支給する。このような方法をとった場合、割増賃金の算定基礎となる賃金に、通常、除外される年2回の賞与も含めることになるのか。
はい。年棒制で毎月払いの部分と賞与部分を合計して年棒が決められている場合、賞与部分が予め確定しています。その支給額が予め確定している賞与部分は、賞与とみなさないこととなっています。したがって、賞与部分も含めてその確定した年棒額を算定の基礎として割増賃金を支払う必要があります。つまり、賞与部分が確定している場合、決定された年棒額の12分の1を月における所定労働時間数(月によって異なる場合は、1年間における1ヶ月平均の所定労働時間数)で除した金額を基礎額とした割増賃金の支払いを要することになります。但し、月給部分のみ年棒制にし、賞与は別途、勤務成績などを考慮して決定する方法をとれば、賞与は割増賃金の算定基礎から除外することができます。
2.パートの所定労働を2時間短縮したが、休業手当を払う義務はあるか。
仕事が少なくなったので、当分の間、6時間勤務のパートタイマーの勤務時間を4時間に短縮する。この場合、短縮した2時間に対して、使用者の責に帰すべき休業として60%の休業手当を払わなければならないか。
いいえ。パートタイマーが労働した4時間分の賃金が、平均賃金(3ヶ月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額)の60%以上である限り、あらためて休業手当を支払う必要はありません。全1日の休業であれ、1日のうちの一部の休業であれ、その日全体として平均賃金の60%までを保障するものですから1日2時間の休業をしても、労働した4時間分の賃金が平均賃金の60%を超えていれば、休業手当を支払わなくても違法となりません。その4時間分の賃金が平均賃金の60%に達しない場合は、その差額を休業手当として支払わなければなりません。


労働時間関係
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1.帰宅後呼び出し、再出勤に要した通勤時間は時間外となるか。
労働時間は8時から17時まで(うち休憩1時間)となっている。この勤務を終了し帰宅していた者を、業務上の不測の事態が発生したため呼び出し、再出勤させた場合、その通勤に要した時間は時間外労働となるか。
いいえ。緊急呼び出しで再出勤させる場合でも、その出勤に要する通勤時間を時間外労働として時間外手当を支払う必要はありません。1日の実労働時間は8時間ですから、業務を開始した時間から時間外手当を支払うことになります。但し、その再出勤に要した通勤時間に対して何らかの対価ということは考えられます。緊急呼び出しに応じて出勤するということは、その時間も拘束することになりますので、通常はその拘束性に対する対価(例えば呼出手当)が支払われています。
余談ですが、この緊急呼出に応じて出勤する途中の災害は、通勤災害ではなく、業務災害となります。
2.遅刻者の残業には、残業手当を支払わなくてもよいか。
労働時間が9時から18時まで(うち休憩1時間)となっている。従業員が1時間遅刻した場合、その日に1時間残業させても残業手当をつけなくてよいか。
はい。労基法の労働時間の規定の適用に当たっては、遅刻したかどうかは問題ではなく、実際にその日に何時間労働したかが問題となります。よって、30分遅刻し30分残業、1時間遅刻し1時間残業させたとしてもその日の実労働時間が8時間を超えない限り、残業手当を支払う必要はありません。遅刻者の残業には残業手当を支払わなくてもよいとは、遅刻時間に相当する残業時間に残業手当を支払わなくてもよいということです。


休暇・休日関係
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1.法定休日に8時間労働させたが、代休を与える必要があるか。
3割5分増しを支払う法定休日を日曜日とし、その他の休日(土曜日、祝日など)を2割5分増しとしている。労基法では毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないことになっているので、法定休日と定めた日曜日に丸1日(8時間)労働させた場合には、以後代休を与える必要があるか。
いいえ。代休は法律上認められているものではなく、労働協約や就業規則の定めによって認められるものです。3割5分増しを支払う法定休日を日曜日と定めていますので、日曜日の労働には135%の割増賃金を支払わなければなりません。休日労働の割増賃金を支払う代わりにその休日は消滅しますから、代休を与える法的な義務はありません。また代休を与える旨の定めがなければ、代休を与える必要はありません。なお、現に行われた休日労働が代休を与えることによって、休日労働でなくなるものではありません。
2.1年勤務のパートを正社員にしたが、年次有給休暇(年休)の基準日はどうなるか。
パートタイマーとして1年以上勤務した人を4月から正社員として採用した。1日の勤務時間は5時間30分から8時間に、賃金は時間給から月給に変わった。パート当時も週5日勤務だったので、6ヶ月勤務した時点で10日の年休を与えたが、今後は正社員として6ヶ月、1年6ヶ月・・・を経過した時点で年休を与えることになるのか。
いいえ。年休の勤務年数は、パートタイマーの勤務期間と正社員となってからの勤務期間を通算し、通算した勤務年数に応じた日数の年休を与えなければなりません。すなわちパートタイマーとして採用された日を起算日として、6ヶ月、1年6ヶ月、2年6ヶ月・・・と区切り、8割以上の出勤を条件に、その通算した勤務年数に応じた日数の年休を与えることになります。
3.半日年休は、単純に午前と午後に分けてもよいか。
就業時間は午前9時から午後5時30分(休憩正午から1時間)となっている。半日年休は、単純に正午を境に午前と午後に分けてもよいか。また午前中に半日年休を取得した者が、午後1時の勤務開始時間に40分遅れて午後1時40分に出社した。40分の遅刻として賃金カットしてよいか。
はい。年休を半日単位で付与するに当たって就業時間のどの時刻を中心に前半と後半に分けるかは、労使間の合意によって決めるべきものです。必ずしも前半と後半が同じ時間になるように分割する必要はありません。上記の就業時間の場合、昼休みの休憩時間を考え、午前(3時間)、午後(4時間30分)に分けるのが一般的です。これにより午後1時の勤務開始時刻に40分遅れて、出社したということは、40分の遅刻をしたことになり、相当する賃金を差し引くことができます。余談ですが、年休は1労働日を単位とするものであり、使用者は労働者に半日単位で付与する義務はありません。よって、半日単位の年休の請求があっても、それに応ずる義務はありませんが、労使間の合意により半日年休制度を設け、半日単位で与えることにしても差し支えはありません。
4.病気休職期間の満了前に、残った年休を請求されたら与えなければならないか。
従業員Aが、私病のため休職となっている。病気休職期間は1年で、平成17年2月20日をもって休職期間が満了する。現在では、復職は不可能なため退職扱いとなる見込みです。Aは、10日間の年休を残しているが、休職期間が満了する2月20日までの間に本人より請求があった場合、年休を与え、賃金を払わなければならないか。
いいえ。病気休職期間は、休日のように全労働者に画一的に定められたものではなく、就業規則に定められた所定事由が発生した労働者に、所定の手続きを経て個別に決定されるものですが、休職となったときはその期間中は完全に労働義務が免除され、使用者としても就労を要求しないことが明らかにされている期間ですから、所定休日と同様に、この期間中は年休をとる余地がありません。したがって休職者が年休を請求してきたとしても、それを拒否し、年休を与える必要はありません。
5.年休の繰越分と新規付与分がある場合、消化する順序はどうなるか。
年休の消化順序として、前年の繰越分を先に消化し、次にその年度に発生した日数に移る方法と、その年度に発生した日数を先に消化し、次に繰越分を使う方法があるようだが、法的にはいずれの方法によって処理するのが正しいのか。
前年度の繰越分かその年度分のいずれを使ったことになるかという年休の消化順序については、労基法には何らの規定もありません。労働協約や就業規則に定めがあれば、それによります。定めがなくても労使間の合意や取り決めがあればそれによります。この合意や取り決めもない場合、厚生労働省では「労働者の時季指定権行使は繰越分からなされていくと推定すべき」としていますので、繰越分から消化させていくことになります。


解雇関係
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1.解雇予告の30日は休日を含めた暦日か。
労働者を解雇するには、少なくとも30日前には予告をすることになっているが、この30日とは土曜日や日曜日、祝日などの休日も含めた暦日でよいのか。
はい。30日というのは労働日ではなく、暦日で計算されますので、その間に、休日または休業日があっても延長されることはありません。また解雇予告がなされた当日は30日には算入されず、その翌日から計算されます。したがって、例えば11月30日をもって解雇(その日の終了をもって解雇の効力発生)するためには、遅くとも10月31日までに、「11月30日付けで解雇する」旨を本人へ予告しなければなりません。
2.即時解雇の可能な予告手当不要の条件を知りたい。
「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合、所轄労基署長の認定を受ければ、30日前の解雇予告又は平均賃金の30日以上の解雇予告手当の支払いなく解雇できる」とあるが、どのような場合に解雇予告除外事由に該当するのか。
「労働者の責に帰すべき事由」として認定すべき事例を挙げれば、以下のような場合となります。
      @原則として軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害など刑法犯に該当する行為があった場合
     A賭博、風紀紊乱などにより職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
     B雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合
     C他の事業へ転職した場合
     D原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
     E出勤不良又は出欠常ならず、数回に亘って注意を受けても改めない場合
     所轄労基署長の認定が条件ですから、解雇予告除外が認められる事由の存否について「解雇予告除外認定申請書」により事前に認定を受けなければなりません。認定に当たっては、必ずしも上の個々の例示に拘らず総合的かつ実質的に判断されることになっています。
3.パートが業務災害で休業したが、期間満了で契約解除できるか。
パートタイマーを3ヶ月の契約期間で何年か雇用している。期間満了時に雇用を継続する場合には、新たに契約を結び直している。このパートタイマーが労災にあって休業するに至った場合、「契約期間満了」を理由に契約解除できるか。
いいえ。労働契約に期間の定めがある場合の期間満了による労働契約の終了は解雇ではありませんから、解雇制限期間中(業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため休業する期間及びその後30日間)であっても、労働関係を終了させることは差し支えありません。よってパートタイマーを有期契約で雇用し、例外的な取り扱いはなく、契約期間満了日をもってきちんとやめさせている場合には、契約期間満了に伴う労働契約の終了ですから、解雇の問題は生じません。しかし、有期契約であっても、この契約を反復更新し相当期間に亘って労働関係が継続している場合には、たまたまある契約期間の満了によって労働契約を終了させることは解雇であると考えられます。3ヶ月契約のパートタイマーを何年か雇用しており、更新の都度、新たに契約を結び直していても、反復更新することにより今回も更新されるであろうことを期待することになり(労災による休業がなければ当然更新)、契約期間の満了をもっての雇い止めは解雇ですから、解雇制限期間中は雇い止めは出来ないことになります。前回の更新と同様に今回も契約更新を行う必要があります。


その他労務関係
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1.業務に支障がある場合、退職日を1ヶ月延ばすことができるか。
8月26日に従業員Aから9月末日までで退職したいと退職届の提出があった。Aは年休が25日残っており、これを取得した後に退職する。翌日から年休を取得しており、会社へ来る日がない。これでは業務の引継ぎができないため、退職日を遅らせたいのだが、可能か。できれば10月末日まで1ヶ月遅らせたいのだが・・・。
いいえ。労基法では退職の手続きについて規定したものはなく、民法によることになります。民法によれば、期間の定めのない契約はいつでも解約の申し入れをすることができ、「雇用契約は、解約の申し入れの後2週間を経過することによって終了する」こととされています。したがって8月26日に解約の申し入れ(退職届の提出)をしているため、9月末日をもって退職することができます。労働者との話し合いで、退職日を遅らせることに労働者が同意すればよいのですが、それでも指定日に退職したいということであれば、それに従わざるを得ません。又、年休は労働者が請求した時季に与えなければなりませんが、その年休の取得によって事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者に時季変更権が認められています。しかし、時季変更件を行使するには、変更して与える他の日がなければなりません。今回のケースでは、退職予定日を超えて変更することはできませんので、労働者が話し合いで退職日の変更に応じればともかく、応じない場合は、請求した時季を変更することはできません。変更する他の日がないと、時季変更権を行使する余地がありませんから、請求どおり年休を与えなければならないことになります。
2.時効消滅する年休の買い上げは規定化してよいか。
年次有給休暇の権利は、翌年まで繰り越され、2年間で時効消滅するが、この時効消滅した分の年次有給休暇を買い上げる規定を就業規則に盛り込んでもよいか。
いいえ。法定の年次有給休暇について、現実に所定労働日に休業しないのに、金銭を支給することで年休を与えたこととする、いわゆる年休の買い上げは許されません。例えば、10労働日の年休を持っている労働者に対し、そのうちの3労働日の年休を買い上げ、3日分の賃金を支給し、以後この労働者については、あと7日の年休しか残っていないものとして処理することは認められません。但し、2年間で時効により消滅した年休日数に応じて何らかの金銭を支給しても、年休の買い上げとは異なり、必ずしも違法とはいえません。しかし、時効消滅した年休といえども、予め買い上げることを規定しておくことは、年休をとることを事実上抑制することになります。消滅した年休を買い上げる規定を就業規則に盛り込むべきではありません。

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